2009年 05月 31日
エスクァイア日本版、休刊 |
今月号をもってエスクァイア日本版が休刊になりました。
なんでも、もとアメリカの雑誌だったものを、
80年代末、日本の大学生がPR誌用に立ち上げた会社が買い取り、
出版を始めたのがその始まりとのこと。
僕は90年代末くらいからちょくちょく読んでいた雑誌。
読むとふらっと鞄を持って、上着を手に取り、どこか知らないところに旅にでたくなる、旅へと誘う雑誌でした。
コンセプトは「art of living」。フランスの哲学者アンドレ・モーロワのことばですかね。
藤代冥砂の起用、島田雅彦の執筆(当時としては珍しい作家のヌードまで!)、ダウンタウンの特集と、当時の色んなジャンルの若手の特集や旅の特集などをしながら、どこかアメリカの匂いがする誌面構成と、綺麗な写真。特集としてはジャック・ケラワックとかもよかったなぁ。不良の紳士がいっぱい載ってた。
まぁとにかくサブ・カルチャー寄りの特集と、どこかノーブルなエディトリアル・デザインがかっこよかった。当時の編集の人は「リトルモア」とかに今いるんだけれども、この休刊のニュースはなんだか、昔の知り合いが死んだ電話がかかってきて、ふとその人の映像が甦ってくる時のような、どことなく物悲しい気分になる。
22年と短い歴史でしたが、ありがとう。
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by killingyousofty
| 2009-05-31 17:28
| 文芸